院長挨拶Greeting
はじめまして、
すずらん耳鼻咽喉科の佐藤 純(さとう じゅん)です。
2008年9月に音更町で開院しまして満10年を迎えました。
地域のみなさまやスタッフに支えられてここまでくることができました。
本当にありがとうございます。
大学病院、帯広厚生病院、帯広協会病院、
アメリカなどでの経験を生かして、
十勝地方のみなさまにより良い 医療を提供しようと思っています。
アレルギーと小児耳鼻咽喉科が私の専門で、ライフワークとしています。
耳鼻咽喉科医としては十勝地区唯一のアレルギー専門医であり、
小児耳鼻咽喉科学会の設立当初(2006年)から
学会に参加しております。
弟の闘病と死で開業を決意してから、
厚生病院や協会病院での勤務、スタッフや関係者との出会いなど、
すずらん耳鼻咽喉科の開院には本当に多くのご縁がありました。
患者さんや支えてもらった皆様に教わることが多かった10年間でした。
これからもより一層、丁寧でわかりやすい診察を心がけ、
よりよい耳鼻咽喉科医療を提供して
地域の皆様の健康をサポートできるように
一生懸命頑張りたいと思っています。よろしくお願いいたします。
弟の闘病と死
私が音更町で開業する大きなきっかけとなったのは、弟の闘病と死です。
弟は消化器内科の医師で、胃がんの遺伝子の研究をしていました。
皮肉なことに自分で研究していた
スキルス胃がんにかかってしまいました。
そして闘病むなしく34歳でこの世を去りました。
弟の胃がんが見つかった当時、私はアメリカで研究をしていました。
日本から連絡を受け、大急ぎでアメリカから帰国したところ、
弟はすでに緊急手術を行い、抗がん剤の治療が開始されていました。
お互いに医師同士でしたので、
スキルス胃ガンについてもよくわかっていました。
弟はベッドで点滴をしながら自分にこう言いました。
「医者としてもっと患者さんを診たかったな」
弟は大学院を卒業して、
これから患者さんをいっぱい診るつもりだった矢先に
がんになってしまったのです。
私もアメリカで研究や手術研修をしていましたので、
弟の言葉に強い衝撃を受けました。
「弟の分まで、患者さんのために働こう」
「いままで磨いてきた最先端の知識や技術を多くの人に還元しよう」
私は開業することを心に決めました。
残念ながら治療の甲斐なく弟は2007年にこの世を去りました。
そして私は2008年に音更町で開業することができました。
いまでも診療中にふと弟のことを思い出すことがあります。
弟に笑われないように一生懸命頑張りたいと思っています。